
その男、溺愛注意報。
第1章 日常
空き教室に響く卑猥な女の声と机の動く音。
それは人気(ひとけ)のないこの場所で
やたら大きく響き渡る。
ガタン…
「ぁ、だめっ・・・あんっ、」
俺の指を締めつけてよがる女。
たぶん、ていうか絶対、
限界が近いんだろうけど。
「ん〜? なにが〜?」
俺はあえて分からないフリをして
さらに指を速く動かした。
グチュグチュグチュッ
「んあぁ、あんっっ・・・やめっ、」
フルフルと首を横に振り、嫌がる女。
ヌチュ…
「先輩から誘ってきたのに、止めていいんだ?」
「んんっ、やめないでぇ・・・」
指を引き抜こうとすると、
それを阻止するように
締め付けられた。
