
学園アリス
第3章 ヤキモチ
「蜜柑ごめん」
「えっ!?」
いきなり謝罪する棗に驚いた。
「俺のせいで・・・
あんな奴らにお前を傷つけられたくねぇんだ」
棗は酷く傷ついた表情で、うちの髪の毛に触れた。
「痛かったよな」
さっき、先輩に引っ張られた髪。
棗、気にしてくれてるんや・・・
ーギュッ
うちは無言で棗に抱きついた。
「・・・蜜柑・・・?」
戸惑いからか、棗の声が弱々しく感じる。
「嫌やった」
優しくうちの頭を撫でながら・・・
「・・・悪かっ、「棗に触れたのが嫌やった!」
再び謝ろうとした棗の言葉を、途中で遮った。
「は、」
「先輩が棗に抱きついたのがめちゃくちゃ嫌やねん。一方的やったけど・・・それでも、棗に触っていいのはうちやもん・・・」
棗を抱きしめる腕に力を込める。
