
学園アリス
第6章 誕生日
うちは、棗へのプレゼントにマフラーを用意していた。
しかも、うちとお揃いの。
うちは自分のマフラーを巻いて来ていた。
「……プレゼント!何がいいかなって考えたんやけど、最近寒くなってきたしこれからはもっと冷えるから……」
だから、暖かくなるような物がいいなと思って探したんや。
お揃いにしたのは…単にうちが棗とお揃いの物が欲しかったからやけど。
ぼそぼそと小さな声でそう説明した。
「蜜柑」
棗の優しい声に、顔を上げた。
「ありがとな」
目を合わせた棗の表情はすごくすごく優しくて。
その笑顔に心が満たされる気持ちになった。
