
天気予報の恋人
第14章 chapter 14
着いた川は、あの時と何も変わっていなくて
強がって見せてるけどやっぱり怖い
…気のせいか、潤くんもあまり水を見ようとしていない
「ほら、これお前らの」
リーダーが、釣竿を手渡してきた
促されるままに岩場に座るけど
心臓がバクバクしてきて、変な汗も掻いている
どうしよう…
やっぱり怖い
「釣れたのが夕飯だからな~」
リーダーが笑って言ってるけど、それどころじゃなかった
顔色が悪くなってるのが、自分でも分かる
「かず、大丈夫だから」
まーくんはそう言うと、チラッとリーダーの方を見た
リーダーがその目を合わせて頷く
…何か考えてる
いや、企んでる?
リーダーとまーくんは、俺と潤くんに何かしようとしている
「釣れるといいね!」
なんて笑って見せるけど、俺はまーくんのシャツにしがみつく事しか出来なかった
潤くんも、川からかなり離れて座っている
しばらくして
「掛かったぞ~っ」
リーダーが嬉しそうな声を出した
