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方位磁石の指す方向。

第8章 scene 7






「じゃあ代わりに〜…
櫻井と仲良いのは相葉だな。
よし、前来い。」

「ええっ…!?俺ぇっ…!?」

「お前以外に相葉がいるのか?」

「いない、ですけどぉっ…」

「まあとりあえず来てみろ。」

「ううっ…」


翔ちゃんのバカ!って
目で訴えてくるのを
見て見ぬふりをしておいた。

ごめんな、雅紀…。

これもお前のためなんだ…。
(違う)



「わっかんないっすよぉ〜、俺」

「…それはつまり、
授業を聞いていなかったと…
そういうことになりますが?」

「きっ、きーてはいましたよ!?
もちろん!…でも、わかんないんですよ〜…」


聞こえてくる会話を遮断して、
窓の外を見た。

そしたら、
見覚えのある顔があっちの校舎に見えた。


…結構距離、近いんだな…。
なんて。


北校舎と南校舎は、
そこまで離れてないからすぐに見えた。


ときどき口を開けて、
眠たそうに目を擦りながら…
あれは、…生物の授業か…?


ふっと頬が緩むのがわかり、
思わず握っていたシャーペンが落ちる。

…俺、
マジで二宮のこと好きなんだな…。


なのに、こんなことになっちまって…。

ほんと、申し訳ねえなぁ…

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