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ローズ学園

第1章 春太&快斗


「もお大丈夫か?」



僕が安心したのを見計らって快斗が声をかけてきた。




「うん。ありがとう…。」




「ん。」




快斗は頷いて僕を離した。正直離れたくなかったけどあまりにずっと抱きついているのもどうかと思ったから仕方なく離れた。





快斗が近くのベンチまで俺の手を引いていって、2人で座る。



座った後も手を離さないでいてくれる。





「かい…助けてくれてありがとう。」




涙声になってしまった。うつむきながらもなんとか声を出す。




「当たり前だろ。」



快斗が僕の頭をポンポンとなでる。


いつもより近い距離。すぐとなり、触れ合うように快斗がいてくれる。



怖くて、震えていた体もなんとか落ち着きを取り戻してきた。




「何で分かったの?」



気になっていたことを聞く。僕があそこにいることをどうして分かったのだろう。


僕は快斗に今日は、行ってくるとしか言わなかった。

なんか告白されに行くとかどこに行くとか恥ずかしくて言いずらかったし。





「春太遅いなぁと思って、探してたんだ。電話も繋がらないし。」




快斗が僕の目を見て当たり前だろ?みたいな感じで話す。





「そっか…。ありがとね。

かいヒーローみたいだったよ。」




僕は気分を変えるように話す。




「ほんとか?さすがだろ?」



快斗も僕の気持ちが分かっているのか明るく返してくれる。

快斗は優しい。快斗が握ってくれてる左手と、快斗と触れてる左側から温もりを感じられて、心が落ち着きを取り戻していく。




「でも、」




快斗が話しだした。




「正直さ、見た瞬間はすっげー焦ったよ。すごく、イヤだって思ったし、めっちゃむかついた。


お前を助けたいとかそういう事よりまず、自分がイヤだって思ったんだ…。

自己中だよな。俺って。」






「え…?どういうこと?」




快斗の言っていることがよく分からない。


快斗は助けてくれたのに。




「だから…」








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