
今日も明日も
第70章 見えない鎖 Ⅷ
あまりに儚く泣くかずくんに、俺の心がスッと冷える
違う
俺はかずくんを傷つけたいんじゃない
泣かせたい訳じゃない
…だけどやっぱり心の何処かでそれと反対の事を思っている
このまま黒い心でかずくんを犯したらどうなるんだろう
そんな事を考えてしまう自分が怖い
「…ごめんなさ…、ごめんなさい…っ」
何一つ悪くないかずくんが、泣きながら謝りだした
何やってんの、俺
何でかずくんに謝らせてんだよ
この “ごめんなさい“ は、一番かずくんに言わせたくない言葉じゃなかったのかよ
頭から冷水を掛けられたようにすっかりと冷静さを取り戻した俺は、抑えつけていたかずくんの手を解放させた
手が離れた途端、かずくんが両手で顔を庇うようにしながら丸く小さくなる
「ごめんなさい…ごめんなさい…許して…っ」
嗚咽に混じって尚も謝るかずくんに、胸が痛くなった
謝るのはかずくんじゃない
俺の方だ
俺が馬鹿みたいに一人で盛っただけだ
