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今日も明日も

第57章 見えない鎖 part Ⅰ





何とか全身を綺麗にして、ぐったりしている彼を再び抱き上げた

脱衣場に彼を座らせ、用意し忘れた着替えを取りに行き
…そもそも着替えなんかない事に今さら気が付いた


仕方ないか
サイズ合わないけど…何も着ない訳にはいかないし

自分の服の中から小さめのもの、と考えたけど
手当てもしたいから、と思い直して昔入院した時に買った前開きのパジャマを用意した

どうみても彼には大きいけど、何とかなるだろう


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「ありがとう…ございます…」

目に見えて手当てが必要そうな傷だけ消毒し、場所によっては絆創膏を貼った

熱は測ったら微熱まで下がっていて

ここに来て漸く本当に一息付けるようになった


「風呂上がりだし…かなり汗も掻いてたから、何か飲もうか」

薬と一緒に買ったペットボトルのスポーツドリンクを彼に手渡す

それを両手で受け取った彼が、蓋を開けようとして

…苦戦している事に気が付いた

マジで?
開けられないの?


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