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今日も明日も

第57章 見えない鎖 part Ⅰ


まずは汗だくの体を何とかしたい
傷の手当てはその後だ

「動けるようなら、シャワー浴びる?」

俺の問いかけに、彼は首を横に振った

「体キツイ?」

それに小さく頷いて “ごめんなさい“ と呟く

「謝る必要ないから」

「ごめんなさい…」

「ほらまた」

「ごめ…、あっ」

3回目には自分で口を抑えた

その姿がやけに可愛らしく見えて、思わずドキッとする

…何ドキッとしてんだよ俺
相手は男だぞ?

「でも…汗凄く掻いてるんだよね
やっぱさ、手伝うから流そうよ。傷の手当てもしたいしさ」

体をタオルで拭くよりは痛くないと思うし
直にシャワーも当てなければ大丈夫な気もするし

「ちょっとだけ頑張って、それからまた休も」

ね?と彼に笑いかけたら

彼は困ったような顔をしながらも “分かりました“ と了承してくれた



だけど
ベッドから立ち上がった途端に彼の体がガクンと崩れ落ちる

やっぱりまだ厳しかったかな

「ごめん、やっぱ止めとく?」

彼の体を支えてベッドに座らせようとしたら

今度は彼の方が首を振って、それを拒否した

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