
今日も明日も
第40章 昨日の他人は今日の恋人
「“カズナリ“くん?」
「うん?」
「名字は?」
「内緒」
えーと……
「家の住所は?」
「だから、帰るとこないって言ったでしょ?」
うーん…
「それじゃあ、困るんだけど…」
あまりに知らなすぎだし
「何が?
名前教えたでしょ?
犯罪とか、そんなのは絶対ないよ?
…他に何が困るの?」
そう言われてしまうと、答えが出てこない
「やっぱり…俺を追い出すの?」
途端に悲しげな声に変わって、今にも泣きそうになるとか
これじゃあ俺が悪いみたいじゃん
…いや、少しは(?)悪いけどさ
「追い出さない!追い出さないからっ」
ね?と頭を撫でると
「ほんと…?」
潤んだ瞳を俺に向けて
「うん」
「絶対だね?約束だよ?」
確かめるように、覗き込む
「大丈夫、覚悟決めた」
安心させるように笑って見せたら
「まーくんありがと!!」
いきなり抱きついて、キスしてきた
触れる素肌にドキッとする
そうだ、…まだ、裸のままだった
