リモーネ
第4章 ツルバラ
ぼんやりと考え事をしていた俺の頭の上から降ってきた声が、まさに今、自分が考えていたことと同じで、
驚いて上を見ると神崎先輩がいた。
「…どうしたの、セナちゃん。」
「…いえ、なにもないです。」
余りにもゆったりとした動きで俺に視線を移した神崎先輩に背筋がぞくりとして一瞬見入ってしまった。
それからしばらく経って、他の部員が部室を出て、神崎先輩と二人きりになったとき、
神崎先輩が静かに話し始めた。
「…俺に、凪が居なければ君を選んでいただろうね。
俺の心は君を求めている。
だけど、本能では凪を求めている。
それは君も同じ。
それに、俺と君は余りにも似すぎていて、相手を照らすことができない。
俺と君は誰かに照らしてもらって初めて、本来の輝きを手にいれる人間なんだ。
だから俺と君では乗り越えられないことが多すぎる。
俺は凪を。君はかえでを選ばなければならない。」
俺がなにも答えられないでいると、部室のドアを控えめにノックする音がした。
「…凪。入って。」
ドアの開く音がして、おそるおそるという感じで凪が入ってきた。
「いつき。
…あ、セナ!」
神崎先輩を見て頬を染めた凪が、俺を見てぱっと微笑んだ。
俺も凪に微笑みながら小さく手を振った。
「凪、おいで。」
そういって神崎先輩は自分の、胡座をかいている足の上を示す。
凪は一瞬とまとったが、神崎先輩の表情を見てか迷わずに示されたそこに向かい合って座った。
「君は、これを直視できる?
もし直視できないなら次、かえでに会うときからはあいつを無視して。
あいつにとって、突き放されることは中途半端に愛されるよりも幸せなことなんだ。」
そういって神崎先輩は凪を抱き寄せるとキスをした。
「ね、セナちゃん。興奮したら教えて。」
神崎先輩は顔を凪の前から首筋へと移動させながら俺を見ずに俺に話しかける。
興奮したら、なんていわれても…と俺が心のなかで戸惑っていると、神崎先輩が凪の着ているジャージを首までめくりあげた。
俺が、驚きすぎて声も出せずにいると、神崎先輩は躊躇なく凪の乳首に唇を当てた。
「んはっ…」
その瞬間、凪が声を漏らして手を口に当てる
「ん、だーめ、我慢しないで。
声、セナちゃんにも聞かせてあげて?」
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