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距離

第1章 距離3

Nside

俺の体調が悪いだけなのに、みんな本当にごめん。スタッフの人にも迷惑をかけている。情けない・・・

みんな、心配しないように俺に言葉をかけてくれる。
翔ちゃんが俺の背中を心配するなよって背中をポンポンと叩いてくれた。

俺はスタッフに連れられて、病院へと向かった。
病院で熱を測ると38.5度もあった。医師からはインフルエンザではないが、風邪と診断された。

この後コンサートに出たいというと止められた。そこを何とかということで点滴と座薬を入れられてた。一時処置だから安静が第一と言われるが、もし、コンサートに出るなら終わって、まだ熱高いようなら再度病院へ来るように言われ、病院を出た。

コンサート会場に戻り、楽屋に入るとさっきまでなかったベッドが用意されており、マネージャーに寝るように言われた。

楽屋の外はバタバタとスタッフが走りまわっているし、声が飛び交っている。誰もいない静かな楽屋は寂しい。

テレビモニターを見るとリハーサルが着々と進んでいた。
進行も若干変更されているんだろうな・・・

そうすると楽屋に翔ちゃんが入ってきた。ベッドの淵に座り、俺のおでこを触ってくる。

翔「ニノ、大丈夫?心配させんなよ。」
翔ちゃんの手を冷たく感じた。

ニノ「大丈夫、コンサート出れるよ、点滴に座薬したから。恥ずかったわ。綺麗な看護婦さんにやられた(笑)」

翔「ニノ、コンサートは明日もあるんだよ、今日無理するより明日出なよ。今日は4人でやるから、それで今日のお客さんはもう一度、招待して振替のコンサートやろう。それでいい?」

ニノ「えっ、だってそれじゃ二回コンサート見れるってこと?」

翔「そう、だってニノを楽しみにしてるファンが可哀想だろ。中止じゃなくて振り替えて、元気なニノを見せてあげたら?」

ニノ「俺のためにそれはダメだろ、予算に入ってない」

翔「大丈夫、それは上が考えることだよ、上と話したからそれでもいいって返事もらってる。
今無理してあとの仕事はどすんの?」

ニノ「薬効いたら、やれるから。
コンサート終わったら病院行く、明日もやる」

俺の目をまっすぐ見ながら、
翔「わかった、でも途中でしんどくなったらストップさせるから、いい?それで。」

ニノ「わかった」
翔さんが微笑んで、おでこにキスをしてくれた。余計に熱が上がるじゃないか・・

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