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黒猫ニーノと相葉さん。

第13章 ぼくは何度だって君に恋をする。

「で、どこで油売ってたの?」


表情一つ変えずに
黙々とハンバーグを口に運びながら
俺に聞いてくる。


「えっと…アルバイトの子に相談があるって言われて…
もちろん仕事のことだよ?
その話聞いてたら遅くなっちゃって。」



「ふうん。二人っきりで?」


「…うん、」


「相手は女の子?」


「……うん。」




「二宮さん?」

「えっ?!」


二宮さんのことなんで知って…
あ。記憶がないのは人間だった時の一ヶ月間だけだからか。

『俺、失恋しちゃった…』

ニーノは知ってるんだもんな。
俺が二宮さんを好きだったこと。
二宮さんには彼氏がいて
俺の想いを伝える前に失恋したこと。


「…ふーん。
それだけ?相談受けてただけ?」



『店長は彼女とかいらっしゃらないんですか?』


二宮さんの言葉が蘇る。


『彼女っていうか…大切な人はいる……かな、』

『なんだ、そっか…残念』


残念、って
どういう意味だったんだろう…
なんで、残念?

もしかして…
いや、そんなこと…



「それだけだよ…」



ニーノは途端にパァッと笑顔になって
なら許してあげる。って笑って言った。


これってヤキモチ妬いてくれてるのかな?
もしそうなら
ちょっと嬉しいかも。

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