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恋空予報

第18章 番外編 最近の心情






ベッドに潜り込んでも
なかなか眠れなくて。


ベッドの脇のランプを
点けた。


…本でも読もうかなあ。


引き出しから適当に
本を出す。



「あ、これにしよ…」



…読みたくて読みたくて
潤にねだって買ってもらった本。

それは学生の頃で、
何度も何度も読み返した。


…大切なものなんだ。



「…潤……」



大切な人の名前を
呼んでみるけど、
返ってこなくて。



…顔だけでもいいから、
見たいなあって。



でも、本を読んでるうちに
そんなことは忘れちゃって。

その世界観にもう入ってた。




「あ、やば…」



もうこんな時間。


読み返してたら、
一時間以上かかってた。



…どーしよ。

せっかく潤が
家事やってくれたのに。

悪いことしちゃったな。



潤のことを考えてたら、
やっぱり会いたくなって。


ベッドから起き上がって、
リビングに行ってみた。



「潤…?」



…あ、寝ちゃってる…?

テーブルに肘を付いて、
うとうとしてる潤。



…綺麗な顔立ち。


どれもこれも、
俺の好きなものばかり。


「じゅーんー…」

「…ん?」


ワンテンポ遅れての
潤からの返事。


…綺麗な瞳が
俺を見つめてる。



「こんなとこで寝たら、
風邪引くでしょ?

ベッド、いこ?」

「うん…」



眠たそうに目を擦りながら
寝室まで向かう潤。


俺はその無防備な背中に
抱きついたんだ。

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