
恋空予報
第17章 幸せの形
汚れた手を見て
今日で何回目かもわからない
溜め息をつく。
怠い体を持ち上げて
手を洗いにいく。
…ニノ、帰ってくるの
早いって言ってたよね。
ふふ、なんか嬉しいな。
大切にされてる感が
半端ない。
それが嬉しくて仕方ない。
一人でニヤニヤしていると
ニノに言われた言葉を思い出した。
「…早く治してさ、
また一緒にどっか行こ?」
…さっきまでは全然
意識していなかったけど
今思うとなんだか顔が熱くなる。
…俺、相当大事にされてるんだなあって。
俺はニノのことを大事にしてるつもりだけど
洗濯も料理も任せっきり。
俺は何一つしてない。
ニノが頑張ってる間、
俺はこんな風に寝てていいのかなあ…?
ベッドに転がりながら
そんなことを思う。
…ニノが体壊さないと
いいけどなあ…。
俺のせいで…なんて、嫌だから。
