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恋空予報

第17章 幸せの形

二宮side




…あ、雨止んだ。


会社の窓から外を見ると
誰かがいた。


…忘れ物でも
取りに来たのかな。




…まあ、いいか。

そんなことより、
先に仕事。



雅紀は櫻井か誰かに
傘貸してもらっただろうし。


だから、あんまり
心配していなかった。



折り畳み傘くらい
もってろよな…。



パソコンと向き合いながら
早六時間。

三時からやってんだよ?


そろそろ目も疲れてきたし
眠気が襲ってくる。


でも…。

明日までだから徹夜しても
やんないと…。


そんな義務感と責任感が
俺の中で膨らんでいた。

溜め込みすぎちゃいけないのは
わかっているけど…。


あー、雅紀に会いたい。

早く終わらせないと…。



雅紀のことを考えたら
少し手の動きが速まった。









「んーっ…」



やっと終わった。


あれから二時間も経ってる。

…あーあ、十一時かあ。

本来ならお風呂に
入ってるこの時間。


俺の時間…返せ。



なんて思っても、
過ぎた時間は取り戻せない。


雅紀、夕ご飯どうしたのかなあ。
冷蔵庫に入ってるもの、レンジ温めて
食べたかなあ。


電気を消しながら
そんなことを思う。

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