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プリンス×プリンセス

第8章 分かりにくい優しさ

「よく似合っている」

「ありがとうございます…」

他人の目もあるから、滅多な事が言えなくて無難に返したものの…

俺は混乱していた。

2度目!?2度目ってことは…1度目は…

「最初から、気付いていた…んですか?」

恐る恐る尋ねた俺に、ディオチェスター王子は振り向き

「どう思う?」

その言い方で分かった。

最初にローズガーデンで会った時も、俺が姉上の格好をしていたって気付いていたんだ。

「だったら、何故その時に聞かなかったのですか?」

普通なら、初めての顔合わせの時に代役が現れたなんて、失礼極まりない話だろ!?

「お前の目的が分からなかった。だが、それもあれを『守るため』なのだろう?」

言い当てられて小さく頷くと、鼻先で笑われた。

「先ほど、お前の国に電話を入れた」

え?

「生中継を見ていたようで…心配していた」

「あ…」

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