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プリンス×プリンセス

第8章 分かりにくい優しさ

「はい。シルフィには、テリオスの世話をするように申し付けましたし」

カムリを一瞥すると、ピシッと音がしそうなくらいの勢いで姿勢を正し

「あっ、足手まといにならないよう努めます!!よろしくお願いいたします!!」

ジュークに対して深々と頭を下げて見せた。

「私からもお願いします」

そう言葉を添えると

「分かった」

違う場所から声が降ってきた。

そちらを向けば、ディオチェスター王子が窓の外を眺めていて…

「ジューク、指示してやれ」

「はっ!」

ジュークは威勢よく返事をすると、カムリを呼び、会見の流れなどを教えていく。

窓の外を眺めたままのディオチェスター王子に、話しかけようと口を開きかけると

「記者会見の準備が調いました。ジューク様、ご指示を」

ジュークの部下が呼び出しに回ってきた。

「行ってやれ」

ディオチェスター王子が静かに答えると、ジュークたちは確認のために部屋を出ていった。

二人だけが残された部屋で、多少の気まずさを感じてしまう。

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