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プリンス×プリンセス

第21章 底無し沼

そんな動作はどこの国の人も同じだ。

王族でも、平民でも同じ…

「美味しく出来ましたか?」

「そうね。まあまあかしら」

口では謙遜しながら、実際は上出来だったのだろう。

にこやかな表情を浮かべて、グラスを棚から取り出した。

「テリオス様の為に、いつも作られるのですか?」

その問いに、ティアナ様はゆっくりと振り返り

「いつも…とはいかない時もありますけど」

そして、ふわりと緩い笑みを向けた。

「私のために頑張ってくれるあの子に、出来るだけしてあげたいの」

本当にこの人は…

「貴女は…清らかな心をお持ちですね」

ティアナ様は一瞬目を見開いたが、すぐに困ったように笑いを溢した。

「そんな…褒めすぎです」

「いいえ。濁りのない清流のようです」

清らかで、愛情に溢れている。

「…だったら、貴方も」

ティアナ様が俺を見て、探るように首を傾げて

「ディオの為に色々尽くしている貴方もそうなのでは?」

照れ隠しのためか、俺に話題を振ってきた。

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