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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

そんな不安が頭を持ち上げた。

……だけど。

ジュークの足にしがみついて、その影に隠れながらも、私をじっと見ている。

本当に嫌いなら、こんなに様子を窺わないわよね?

そっぽ向いて関わらないようにするだけのはず。

そう信じて、ルーミーが歩み寄ってくれるのを待った。

そのうち、グレイス王女とユーノスくんが帰ってしまって、3人だけになる。

喫茶店は臨時休業にしたので、家事をこなすジュークの手伝いをした。

ジュークは硬い表情のままだったけど、手伝いを受け入れてくれて…

3人で、初めての夕食。

とても美味しかった…はず。

けれど、とても静かで…和めない雰囲気の食事だった。

場違い。

そんな言葉が浮かんで…せっかくの料理を残してしまった。

私をチラチラと見て食事を摂るルーミーの目は、不安そうに揺れている。

こんな顔をさせたかった訳じゃないのに。

やっぱり、明日になったらここを出よう。

そうしたら早々に不動産屋を回って、住まいを決めなければ。

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