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0時の鐘が鳴る前に

第3章 キラキラ、ふわふわ

「あっ、さっき見たやつ…ペガスス座!」
「どれ?」
「あそこの四角いのが…」

覚えたての知識を思い出しながら、2人で秋の夜空を眺める。

しばらくキラキラした景色に見入っていると、隣で広末さんがくしゃみをした。

あ…私がパーカー借りちゃってるんだった!

「す、すみません!」

慌てて脱ごうとすると、彼はやっぱりそれを押しとどめる。

今日分かったのは、広末さんが優しすぎるってこと。
本物の彼女じゃない私にも、こんなに気を使ってくれる。


「だめです!広末さんが風邪引いちゃいます!これ以上迷惑かけられないです…!」

必死に訴えると、彼は呆れたように笑ってため息をついた。


「…じゃあ、暖めて」
「え…?」

言葉を理解するよりも早く、彼のたくましい腕が後ろから私を包んだ。


…えっ、え、ええ?!

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