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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第3章 コチョウラン

Jun side

怒ってないよ,と
迷惑だなんて思ってないよ,と
翔くんは言うけど

こうやって話をしている最中も
少しでも視線が合えば逸らされて

どうして本当のことを言ってくれないのか

これじゃあ謝ることもできない,と

どうしようもなくなった想いが
涙となって溢れ出てくる

潤「…なんで…」

微かにしか出なかった声に
翔くんが反応してくれて

俺を見た途端目が大きく開かれて

翔「ちょ,泣くなって…
怒ってねーよ?
迷惑とかも思ってねーから……」

それでも視線が絡むことはない

潤「じゃあどうして…
最近目を合わせてくれないの?」

1度溢れ出てきた涙は
止まってはくれなくて
どんどん声も涙混じりになっていく

翔「そんなこと……」

潤「あるよ…」

否定しようとしたその言葉に言葉を重ねる

潤「だから,俺なんかしたかなって…
なんで避けられてるのかなって不安で……」

漏れそうになる嗚咽だけは
なんとか堪えたい,と
口元を抑えて唾液を飲み込んで話し続ける

潤「もう迷惑かけないように頑張るからっ…
何かしたなら謝るからっ……」

だからずっと俺の隣にいて……,と
嫌わないで…,と

溢れる本音を堪えられなくて

俺をただ見つめる翔くんに

涙を流したまま縋るように言っていた

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