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missing☆ring【完】

第7章 追憶の彼方へ

ずっと後ろを向いて座っていたのが、やっと前を向けた。



ただじっと前を向いて座っているだけだけど、それで良い。



前を向いていれば、何かを見付けて歩き出すかもしれない。



何かを見付けて走り出すかもしれない。



強くなくて良い。
弱くて良い。



無理に笑わなくて良い。
泣けば良い。



素直になれなくても良い。
後悔しなければ良い。



傷ついても良い。
優しくすれば良い。



そうやって少しずつ、
私は陸の居ないこの世界を生きて行かなくちゃいけない。



陸の隣に並んで同じ景色を見た時に、ちゃんと陸と笑い合えるように。


その日が来るまで、私は生きなくちゃいけない。




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