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second girl【完】

第8章 願い

一瞬、五郎の全てが止まる。





ゴツゴツとした指が抜かれ、ギュッと今まで以上に抱きしめられた。









「ッ…アイツの名前呼ぶなっつったろ…」






五郎の体が小刻みに震えだした。







そんなこと言われても、無意識だった。
自分でもこんな時に、隆史の名前を呼ぶなんて…





「……そんなに好きかよ」




「え?」





五郎が私を見つめる。
さっきの強い瞳が、弱く揺れている。





切なげに…





その瞳に写る私もまた切なげに…




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