
人型ナビ
第4章 ドライブ②
俺は、香枝を連れて森林の奥へと、看板を頼りに歩き出した。
森林の中は涼しく、時折鳥の声が聞こえてくる。
大橋に着くと、向こう側まで渡るのにいくらかかかるようだった。
しかし、人間だけの料金なので、一人分だ。
「さぁ、香枝。いこう」
手をつないでわたりだす。
「みて、みて、いつき。」
「どうしたの?」
「私、とんでる、あ、は、は、は」
「本当だ。空中散歩だね。」
「空中、散歩?なんですか?」
「空中は教えたよね?」
「はい」
「浮いてるところを散歩、みたいなことかな?」
「なる、ほど」
香枝に教えながら歩いてくる途中に、可愛い犬に会った。
犬をつれても歩けるんだな・・。
まぁそりゃあそうか。
ナビがいいんだからな。
「香枝、ほら、あそこ!」
「え?なん、ですか?」
前方に向かって指をさすと、そこには誓いの鐘みたいなのがあった。
「あれは、なんですか?」
「あれは・・多分鳴らすといいことがあるよーみたいな。」
「ならし、ますか?」
「そうだね、一緒にならそう」
本当にデートのようだ。
夢のようで仕方ない。
香枝なしではもう生きていけそうにないのだ。
「ねぇ、香枝」
「なん、ですか?」
俺の左手が握っている、香枝の右手を一度だけぎゅっと握って言った。
「香枝、俺は香枝のこと・・」
そのときにちょうど風がビュウ!と吹いてしまって、俺の声はかき消されてしまった。
しかし、これは俺が言いたかっただけだ。
香枝に伝えても事態は変わらないだろう。
だから、二度は言わない。
「なん、ですか?」
「いや、なんでもないよ」
あはは、と笑って鐘のところまできた。
同じようにナビを連れた人が一緒に鐘を鳴らしている。
「楽しそう、ですね」
「そうだね。さぁ、次は俺たちの番だよ」
順番が回ってくると、一緒に鐘をリンゴンと鳴らす。
「幸せになれますように、香枝といつまでも一緒でありますように」
まるで人間同士かのような願い事だ。
しかし、へんなものだ。
鐘をならすというだけで願い事をしなくちゃ!という気分になる。
人間の性だろうか。
「さぁ、香枝。車に戻ろう」
今きた道をまた戻りだす。
香枝はまた景色を堪能しつつ、会話をなげてくる。
この時間がいつまでも続けばいいと本当に思えた瞬間だったと思う。
森林の中は涼しく、時折鳥の声が聞こえてくる。
大橋に着くと、向こう側まで渡るのにいくらかかかるようだった。
しかし、人間だけの料金なので、一人分だ。
「さぁ、香枝。いこう」
手をつないでわたりだす。
「みて、みて、いつき。」
「どうしたの?」
「私、とんでる、あ、は、は、は」
「本当だ。空中散歩だね。」
「空中、散歩?なんですか?」
「空中は教えたよね?」
「はい」
「浮いてるところを散歩、みたいなことかな?」
「なる、ほど」
香枝に教えながら歩いてくる途中に、可愛い犬に会った。
犬をつれても歩けるんだな・・。
まぁそりゃあそうか。
ナビがいいんだからな。
「香枝、ほら、あそこ!」
「え?なん、ですか?」
前方に向かって指をさすと、そこには誓いの鐘みたいなのがあった。
「あれは、なんですか?」
「あれは・・多分鳴らすといいことがあるよーみたいな。」
「ならし、ますか?」
「そうだね、一緒にならそう」
本当にデートのようだ。
夢のようで仕方ない。
香枝なしではもう生きていけそうにないのだ。
「ねぇ、香枝」
「なん、ですか?」
俺の左手が握っている、香枝の右手を一度だけぎゅっと握って言った。
「香枝、俺は香枝のこと・・」
そのときにちょうど風がビュウ!と吹いてしまって、俺の声はかき消されてしまった。
しかし、これは俺が言いたかっただけだ。
香枝に伝えても事態は変わらないだろう。
だから、二度は言わない。
「なん、ですか?」
「いや、なんでもないよ」
あはは、と笑って鐘のところまできた。
同じようにナビを連れた人が一緒に鐘を鳴らしている。
「楽しそう、ですね」
「そうだね。さぁ、次は俺たちの番だよ」
順番が回ってくると、一緒に鐘をリンゴンと鳴らす。
「幸せになれますように、香枝といつまでも一緒でありますように」
まるで人間同士かのような願い事だ。
しかし、へんなものだ。
鐘をならすというだけで願い事をしなくちゃ!という気分になる。
人間の性だろうか。
「さぁ、香枝。車に戻ろう」
今きた道をまた戻りだす。
香枝はまた景色を堪能しつつ、会話をなげてくる。
この時間がいつまでも続けばいいと本当に思えた瞬間だったと思う。
