テキストサイズ

お前は俺のxxx

第113章 秘密。



碧のことが好きーー

それは揺るぎない私の気持ちーー

私の心の中には碧しかいないのに..


それでも..
颯太との想い出が私の気持ちの邪魔をする。


颯太と過ごした場所には、あの頃の想い出が小さな光となって残っているんだ。


碧の後ろにその影を感じてしまうのが怖くて…


拒絶して碧を傷つけてしまいそうで苦しくなる。


『結愛ちゃん。おいで。
連れて行きたいとこがあるんだ。』


碧は私の手を引いて自習室を出ると、建築校舎の裏庭の方へ歩いて行く。


「碧?どこに行くの?」


『俺のお気に入りの場所。』


碧に手を引かれるままついて行くと、オブジェやトピアリーが飾られた庭が広がっていた。


「わあ!こんな場所があったんだ!
建築校舎の方に来ることなんて無いから知らなかったー!凄ーい‼︎

あ‼︎ガゼボまであるー‼︎」


私は碧から手を離すと庭に向かって駆け出した。


白く塗られた木で造られているガゼボは、屋根と柱があるだけで外の空間が開けていて、目の前に広がる庭園がよく見えるようになっている。


中にはベンチとテーブルも設置してあり、私はベンチに座るとテーブルに頬杖をついて庭園を眺めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ