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お前は俺のxxx

第103章 迷子。



通りを歩いていると、声をかけられた。



『お?颯太!結愛ちゃん!』



呼ばれた方を向くと、そこは昨日の綿あめ屋さん。
颯太の地元の友達の奈津くんだった。



『なになに⁉︎2人の子供⁉︎』



奈津くんの突拍子のない言葉に
颯太は即答する。



『アホか。んな訳ねぇだろ迷子だ。』



『だよな〜!つーか、颯太がチビっこと一緒にいるとことかスゲぇ新鮮♪』



奈津くんがクスクスと笑っていると、イラっとした表情で颯太は顔を歪めた。



『奈津。テメェ..。
あ。奈津。綿あめよこせ。』



『はい?』



『ほらチビ。好きなの選べ。』



颯太がゆうまくんに声をかけると、そのまま好きなものを選ばせた。



ゆうまくんは嬉しそうに『これ♪』と、戦隊モノの絵が書いてある袋を指差した。



言われたものを奈津くんが取ってくれて、ゆうまくんに手渡した。



『奈津のおごりな。』



颯太は奈津くんを見て口元を吊り上げる。



『ちょ⁉︎マジかよ⁉︎』



『結愛にはタダで渡しただろ。
じゃあサンキューな。奈津。』



颯太はそう言って歩き出すと、ゆうまくんは奈津くんに『綿あめのお兄ちゃん、ありがとう♪』とちゃんとお礼を言っていた。



そして、肩車をしている颯太にも『お兄ちゃん。ありがとう♪』とお礼を言う。



「ゆうまくんは偉いねぇ♪
ちゃんとありがとうって言えるイイ子だね♪」



と私が声をかけると、エッヘンと言うように胸を張ってにっこり笑っていた。

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