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お前は俺のxxx

第102章 初めての。



『何突っ立ってんだよ。
早く座れよ。』


私の方に向き直った颯太は、私の手を取ると隣へ座らせた。


『結愛ちゃん黒髪だから浴衣がすごく似合うね。』


碧先輩に褒められて、恥ずかしさと嬉しさでついつい顔がほころんでしまう。


その様子を見ていた颯太は、ムッとしたのか『結愛。出んぞ。』と席を立った。


待ち合わせが同じなだけで、もともと別行動だったため私も席を立ち、香奈たちに挨拶すると、颯太と2人でカフェを出た。



颯太は私の手を引いたまま何も話さないで歩いていく。



「颯..太?どこに行くの?」


堪らず声をかけると『そこ。』と指差す先は広い公園。
そのまま公園に入ると、空いているベンチに座った。


『碧に言われて喜んでんじゃねぇよ。』


そっぽを向いたまま話してきた颯太を見ると、どこか拗ねている様子。


「颯太に見て欲しくて着てきたの。
私、颯太とのデートを楽しみにしてたから…少しでも可愛いと思われたいんだもん。」


『ばーか。』


颯太はククっと笑うと、
私の頬を軽く抓る。


「ば..ばかって‼︎」


そして柔らかく笑うと、
優しい表情を浮かべた。


『お前はいつでも可愛いよ。
浴衣…スゲぇ似合ってる。
他のヤツになんか見せたくねぇよ。』


颯太の言葉にトクンと鼓動が跳ねた。


ズルいよ…
そんな優しい顔で、嬉しいこと言うんだもん。


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