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優しいキスをして

第6章 秘密の恋人たち

「……うん。出たいのは山々だけど、なかなか家賃とか払って行けるか心配だし……」
……まあな。うちの会社の給料じゃ躊躇するのもわかる。……だったら。
「……じゃあ…………俺と一緒に、住まない?」
美優は目を見開いた。
「えっ?」
俺はにっこり微笑んだ。
「俺も家出て一緒に住めば家賃とか半分で済むし、……てゆーかそのくらい俺が払うし」
「いいよっ、そこまでしてもらうのはさすがに悪いし……半分とかなら全然払えると思う!」
美優は慌てて言ったが、俺は全然よかった。
一緒にいられるならそのくらい構わないのに……。
美優はなぜか頬を赤くしていた。
「てゆーか、それって同棲するってことだよね?ともくんと……」
「そう。俺とじゃ、もしかして嫌……?」
「全然嫌じゃないよっ。嬉しいけど、いいの?」
俺は優しく微笑んで言った。
「……俺は全然いいし、そうしたい。その方がいつでも会えるでしょ。どこかで誰かに見られる心配もないし」
美優は戸惑って少し考えた素振りをすると、俺を見上げて言った。
「……うん//一緒に住みたい」
……よかった♪
「じゃあ決まりな。どこかいいとこ探して、見つかったらメールで転送して?俺も送るから」
「うんっ//」
美優が照れながらとても嬉しそうに笑顔で答えた。
俺はそれを見て思わず頬が熱くなったのを感じ、同時に美優にキスしたくなった。
顔を近づけると自然と唇が重なった。俺は我慢できず、一度だけゆっくり自分の唇で美優の唇を包み込むとリップ音をさせて離れた。
目を開けると……美優はあんな少しのキスなのに、目を潤ませてうっとりとした表情で俺を見つめた。
……そんな目するなよ。今日はそんなつもりないのに……っ。
「……そんな顔されると、我慢できなくなる……//」
「えっ//?」
美優はますます顔が赤くなった。
……お前が好き過ぎて変になりそう……。
「……早く、一緒に住みたいな……」
「あたしも……//」
俺は美優を強く抱き締めた。

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