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アクマにアソコを貸しました

第7章 その位、ちょっとヤンチャなだけじゃないですか

「マソォ!」
呼び掛けずにはいられなかった。マソォの目を真っ直ぐ見つめる。

お願い、乱暴な事しないで――
強く強く念じたら、マソォがフッとため息を吐いた。
「わかった。梓穏にそこまで頼まれちゃ…ね」

ゴゥッと風が渦を巻いて茫然自失の女の子を包むと、気を失ってしまった。膝から崩れる彼女の体を風と影が支えて近くの椅子に座らせた。


「行こうか」

「あ、うん。でもこのままで大丈夫なの?」

チラッと彼女をみると、マソォも彼女に視線を向けてから私に軽く笑ってみせる。
「うん、大丈夫。もうこれっきりだし、俺がいなけれはどうしようもないからね」
気になるなら後で纏めて解除するし。

そう言って私の頬に手の甲をあてた。…纏めてってのがどのくらいの数なのか気になるけど、最早余計な事は聞くまい。


双子の術でこの場を離れる瞬間、ズズン…と縦揺れした気がした。

あぁ、きっと彼らがこの会社に来る事は二度と無いんだ――なぜかそう確信したのだった。

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