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悪魔と淫美な世界へ

第2章 ~可愛い?年下男子~

 
 
 
ぞろぞろと下校して行く生徒達の中…
 
独り門の前に立ち尽くす、ゆきの姿があった。
 
 
 
 魁‥まだかな?
 
 このまま帰っちゃいた いけど
 後が怖いし…
 
「はぁーー…」
 
 
「ゆき先輩!」
 
 
「っ…」
 
 
 
聞き覚えのある声に振り返ると、蒼空が笑顔でこっちに走って来る姿があった。
 
 
 
 朝のこともあるし
 すごく気まずいなぁ… 
「どっ‥どうしたのっ? 」
 
「彼氏待ってるの?」
 
「う‥うん…」
 
「…ゆき先輩…
 おれ‥何を見せられて も、ゆき先輩の事好き って気持ちは変わらな いから」
 
「えっ?」
 
「…だから…
 彼氏から…奪っていい ?」
 
 
 っ!?
 
 
 
いきなり男の顔になった蒼空にドキッとし、ゆきは見つめたまま固まってしまった。
 
 
 
「返事待つつもりだった けど…
 朝のゆき先輩と彼氏を 見たら‥待てなくなっ て‥‥」
 
「蒼空…」
 
「ゆき先輩が大好きなん だっ
 おれと一緒に来て!」 
 
 
真剣な眼差しで手を差し出す蒼空に、ゆきの胸は高鳴り頬を赤くさせながらその手を見つめた。
 
 
 
『大好き…』
 
 
 
 その言葉を聞いただけ で‥胸がキュンとなる ‥‥‥
 
 
「俺の前で随分と大胆だ な」
 
 
 っ!?
 
 
 
いつの間にか蒼空の背後に魁の姿があり、ゆきは違う意味でドキッとした 
 
 
「魁っ…これはっ…」
 
 どうしようっ
 よりによって‥こんな 所見られるなんてっ… 
 
「ゆき‥行くぞ」
 
 
 
グイッとゆきの腕を掴み、強引に歩こうとする魁。
 
 
 
「ちょっ…痛いっ‥‥」 
 もしかして怒ってる… ?
 
 
「抵抗しないで大人しく 来い」
 
 
 
無理矢理ゆきを連れて行こうとした時、パシンッ!!という音が響いて魁の手が勢い良く弾かれた――――
 
 
 
 
 

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