
悪魔と淫美な世界へ
第2章 ~可愛い?年下男子~
「ただいま…」
魁のいる家に帰ってきたゆきは、ボーッとしながら靴を脱いでリビングの方へ向かった。
魁‥いるかな…?
蒼空にキスされた事を思い出し、ゆきの頬はみるみる赤くなっていった。
気まずいなぁ…
別に‥魁と付き合って るわけでもないけど
でも…後ろめたさを感 じてる自分がいる‥‥
「随分と遅かったな」
すぐ後ろから聞き覚えのある官能的な声に、ゆきは驚きのあまり勢い良く振り返った。
「かっ魁っ!」
「昨日の奴と会ってたの か?」
「えっ!?なんで知って っ…」
「お前を見ていたらわか る…」
不意に、その整った色気たっぷりな顔が急接近し、赤く禍々しい鋭い眼差しに思わず胸が高鳴った。
ため息が出そうなくら い綺麗な顔‥‥
だけど…
愛を知らないような冷 たい瞳‥‥
蒼空の‥純粋で温かい 目とはまるで違う‥‥
「…魁は‥‥
誰かを好きになったり したこと‥ある…?」
「フッ…何を突然…
そんな感情俺にはない
あるのは‥己の欲を満 たしたいという黒い欲 望だけだ」
「‥‥そう‥なんだ‥‥ 」
予想してた答え‥‥
「今‥俺が欲しいのは
お前の処女だ‥‥
焦らされれば焦らされ るほど…
その欲は強くなってい く―――‥‥」
熱っぽく物欲しそうな眼差し…
色気に当てられてしまったゆきは、ドキッとしてしまい目が離せなくなってしまった。
「やけに大人しいな…
やっと‥抱かれる気に なったのか?」
「ちっ‥違っ…
わたし悪魔なんかとし たくないっ!!」
そう言い放つと、ゆきは逃げるように二階へ駆け上がって行った。
フッ…
悪魔なんか‥か‥‥
俺を拒絶した女は初め てだ‥‥
階段の方を見つめながら‥魁は悪魔な笑みを浮かべた―――‥‥‥‥
