
花火の秘密
第3章 すばるくんとの秘密
まるちゃんをすばるくんと俺の二人で挟む形で座る。
こんなに近くにまるちゃんがいるというのにお尻がむず痒い。
「まるー、あーん。」
「ん、あーん。」
「えー、まるちゃん、俺にあーんしてくれるんちゃうん?」
「んぅ、すんで。」
終始幸せそうにニコニコしてもらうのはいいのだが今一感覚がつかめない。
「まる!金魚すくい行こう!!」
「当てもん行くんやろ!」
「金魚すくいや!!」
「当てもん!!」
「あ!」
突然立ち上がったまるちゃんが俺とすばるくんを見る。
そしていきなりのことでおいてけぼりにされた俺とすばるくんの手を強く握って歩き出した。
まるちゃんのしっかりとした手が握っているのは俺の手。
そして乙女になっているすばるくんの手。
すばるくんのように単純に喜べない自分がむしゃくしゃする。
