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背徳の雨

第2章 コワレタ、モノ



そんな状態がずっと続き、
小学三年生になった。
一年進学した位じゃ何も変わらない。
相変わらず友達も出来ないまま。
私はただノートと黒板を睨めっこしてた。
真剣に勉強をして
誰とも話さずに給食を食べて
無言でひたすら学校を掃除した。
本当にただの真面目な子。
けして活発ではないけど
当たり障りのない、暗い子。
誰にも害を与えない。
だから誰も私に見向きもしなかった。
本当は友達が欲しい。
皆みたいに沢山の子達と
ドッジボールや鬼ごっこがしたい。
本当は子供らしい、純粋な子。
先生が言うような
“大人しくて大人びた子”じゃない。
皆そんな風にお世辞を言うから。
悪く言えばただの“暗い子”。
しかしそんな私が変わる転機が訪れた。

「神崎〜」

「あ!私の筆箱取るなぁ!」

それは初めての友達
同級生“霧島 優雨”との出会い。
彼は私の筆箱を勝手に盗み、
わざわざ私に取りに来させようとする。
時に優雨は私の筆箱片手に
廊下を走り回って私に追いかけさせる。

「ちょっと返してぇ!」

追い付けばじゃれあって、
本当に親密な、
それこそ兄弟みたいな関係だった。
私は女の子扱いをされていなかった。

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