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寝取られ漂流記

第6章 16歳冬その2

教室に戻るとあたしは一人席についた。


ただただ時間が過ぎるのを待って、
昼休みになると雅章に捕まらないように急いで教室を出た。


あたしが向かったのは二年生の教室


もうどうやっても晃佑に力を借りるしかない。


「あれ、茜?」


廊下から教室の中を覗こうとすると後ろから声を掛けられる。


恐る恐る振り返ると購買で買ってきたっぽいパンを手に教室に戻ってきたみたいだった。


「ここじゃ目立つな。おいで?」


晃佑に導かれるまま、人の少ない特別教室棟に入る。


「どうかしたの?我慢出来なくなっちゃった?」
「あたし……」
「うん?」


冗談混じりに聞いてくれる晃佑。
なんて言おうか迷いながら決意を固める。


「雅章に放課後スるって言っちゃったの。だから、晃佑に助けて欲しくて」


まだ何かされたわけじゃないのに、あたしの頬を涙が伝った。


今までの事を思うだけで体が萎縮しちゃう。


情けないや。

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