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わすれない

第2章 それぞれの傷

俺は顔面パンチを食らったかのような感覚だった。

ーー婚約者…?なんだそれ。だから美咲は…。



嘉山はにっこりと笑い、続けた。


「まぁ、婚約者といっても、母親が勝手に決めただけで当人たちはなんの感情もありませんがね。ただ、、彼女の体は最高でしたよ。」


まるで、俺の感情を逆撫でしたいかのように、わざと最後の言葉を強調していた。

「彼女、初めてのときは泣きながら感じていましたよ。やめてやめてと言いながらも喘いでましたね。」



なおも続ける嘉山。いままで美咲がどれだけ辛い思いをしてきたのか。




俺はその後どうやって家に帰ってきたのか、気づけば自分の部屋のソファーに座っていた。

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