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仮面な人たちの恋愛夢小説

第9章 愛が強さに?蜂蜜と指輪の思い出(鎧)

「あっ、瀬奈さん!」

『光実さん‥』

手を振る光実。
不思議と彼と会った時にはあの恐怖と威圧感は感じられなかった。

「僕と二人の時は、名前で呼んでって言ったよね?」

『あ‥、ごめんなさい光実君…』

「うん、そうそう。それで瀬奈さん、兄さんに何かされたの?」

首を横に振る彼女にすかさず光実はいう。

「嘘。何もされてないならそんな顔しないよ。瀬奈さん、今自分がどんな顔してるか分かってる?」

『‥‥分かりません』

「やっぱり…兄さんに何されたのかは分からないけど、一人で抱え込むのは辞めて。僕が守るから、瀬奈さんのこと…」

光実の真剣な眼差しに何も言い出せない彼女。
せっと差し出された光実の手は彼女の指に触れて、少し怖くなって引いた手もすぐに繋がれた。
小指だけが、光実と彼女を繋いだ──

「大丈夫…。やっぱり、男は怖いですか?」

光実の問いかけに彼女は小さく頷いた。

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