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仮面な人たちの恋愛夢小説

第50章 甘宿り(F)

突然降りだした雨。
居残りをさせられていた俺は、運悪く学校で足止めを食らった。


「参ったな…」


そう呟いた俺の真横に増えた小さな影。
それは同じクラスの転校生だった。


「お前も傘忘れたのか?」


『え‥‥あ、うん。降るって知らなくて…』


「そうか。俺もだっ」


笑いかければ彼奴は奇遇ね、と微笑み返す。


『良かったら、止むまで一緒にいない…?』


「おうっ。そうするか」


実際、このまま止まなければいいなんて思ってる自分がいる。


彼奴に俺は惚れていたから、しかもこんなに近くにいるのは初めてで嬉しかったんだ。


校内に戻った俺たちは先生に頼んで図書室を開けてもらい、暫くそこにいることになった。

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