
仮面な人たちの恋愛夢小説
第4章 心とココロ(剣)
『兄さん、今年も来たよ。今年は兄さんに会わせたい人連れてきたんだ』
墓掃除を終えそれぞれ線香を添えると、凛が始に花束を置いてほしいと言ったので始は言われた通り指示された場所に花束を添えた。
四人は手を合わせる。
その時、始の脳裏に何者かの声が過る。
「誰だ」
ココロの中で始はその声に語りかける。
自分に似た風貌の持ち主でそれは始とリンクする。
始は少し驚き意識が揺らぐ。
「俺は漣。九条凛の兄だ」
凛の兄…何故始の意識に入り込んで来たのか、全ては凛に対する兄の思いにあった。
「傍に…いられな‥い…俺の代‥わりに‥凛を…頼む‥‥」
途切れ途切れ聞こえてくる兄・漣の声に薄れ行く意識の中始は頷く。
その優しく透き通った声は、始の闇を穏やかに消し去ってくれるような声だった。
自分に似ている始が凛に出逢ったこともきっと運命なんだと漣は感じていたのだろう。
「君はそこから彼女を守ってあげるんだ」
力強く頷くと漣は始の意識から離れていった。
不意に、始を呼ぶ声がして始は振り向く。
『帰りますよ始さん?』
「‥ああ」
始は凛の手に引かれて凛の両親を背に歩いていく。
他愛もない会話をしながら歩いていると、突然背後から悲鳴が聞こえた。
即座に振り向くと凛の両親が倒れていて、二人を見下すように見ているアンデットの姿があった。
「何故此処に‥」
アンデットが凛に飛びかかって来たのを始が彼女を抱き締めて共に地面に転がる。
「君は此処にいるんだ」
『始さんは…?』
始は大丈夫というように凛に微笑むとアンデットの前に飛び出していく。
墓掃除を終えそれぞれ線香を添えると、凛が始に花束を置いてほしいと言ったので始は言われた通り指示された場所に花束を添えた。
四人は手を合わせる。
その時、始の脳裏に何者かの声が過る。
「誰だ」
ココロの中で始はその声に語りかける。
自分に似た風貌の持ち主でそれは始とリンクする。
始は少し驚き意識が揺らぐ。
「俺は漣。九条凛の兄だ」
凛の兄…何故始の意識に入り込んで来たのか、全ては凛に対する兄の思いにあった。
「傍に…いられな‥い…俺の代‥わりに‥凛を…頼む‥‥」
途切れ途切れ聞こえてくる兄・漣の声に薄れ行く意識の中始は頷く。
その優しく透き通った声は、始の闇を穏やかに消し去ってくれるような声だった。
自分に似ている始が凛に出逢ったこともきっと運命なんだと漣は感じていたのだろう。
「君はそこから彼女を守ってあげるんだ」
力強く頷くと漣は始の意識から離れていった。
不意に、始を呼ぶ声がして始は振り向く。
『帰りますよ始さん?』
「‥ああ」
始は凛の手に引かれて凛の両親を背に歩いていく。
他愛もない会話をしながら歩いていると、突然背後から悲鳴が聞こえた。
即座に振り向くと凛の両親が倒れていて、二人を見下すように見ているアンデットの姿があった。
「何故此処に‥」
アンデットが凛に飛びかかって来たのを始が彼女を抱き締めて共に地面に転がる。
「君は此処にいるんだ」
『始さんは…?』
始は大丈夫というように凛に微笑むとアンデットの前に飛び出していく。
