テキストサイズ

仮面な人たちの恋愛夢小説

第38章 光夜のキャット・アイ(電※)

そんなことを考えるようになってから、俺は更に彼女を求め始めていた。

ただ触れるだけでは、物足りなくて──。


───ミャーオ‥


真っ暗な空に響く甘い鳴き声は、夜になると現れる彼女の隣にいつもいる黒猫からのもの。

黒猫を抱き上げた彼女は、そっと黒猫の瞳を見詰めていた。


『カイ』


ふいに、彼女が俺に黒猫を差し出した。

抱き締めてほしい、と言いたいらしい。

俺は黒猫だけではなく彼女ごと抱き締めると俺の腕の中で彼女は小さく驚きの声を上げた。


「猫もいいけど、お前がいいかな」


俺の言葉に目を見開く彼女は、ただの操り人形ではない、女の表情でいた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ