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仮面な人たちの恋愛夢小説

第32章 甘い愛の果実(鎧※)

扉を開くと、そこには傷だらけの女が立っていた。

苦しそうに顔をしかめた女は、次の瞬間俺に倒れ込んだ。


「おい!」


呼び掛けても返事はない。

ベッドに女の身を乗せると、俺は女の傷の手当てをし始めた。

暫くして女が目を覚まし、起き上がった。


「何があった」


女は問いかけに答えない。

ただ、布団をグッと握り締めたことで俺は事を悟った。


「戦極凌馬…か」


小さく頷く女は俯くと布団を握り締めたまま、決して声には出さず泣いていた。

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