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君がいいんだ

第2章 チェスト

女の子が喜びそうな甘いケーキを手土産に
また謙一のマンションへ向かった

俺の仕事で遅く着いたことを謝ったが
気にせず盛り上がってたから…と言われた

着くとホントに盛り上がってて
ワインが一本空いていた

「翔、悪いけど酒買って来るから留守番頼むわ」
そう言って、謙一と響子さんは
そそくさと外へ出ていってしまった
俺に気を使ってくれたんだろうけど

どうすりゃいいんだよ…?

「あ、あの…」
「あ、はい」
「この前は、ありがとうございました…」

彼女から口火を切ってくれた

「あ、いえ…どういたしまして…」

会話がぎこちない

「お礼の…」
「はい?」
「お礼の電話ができなくて…すみません…」
「いいえ…俺の方こそ…押し付けがましく番号なんか渡しちゃって…すみません」

お互い謝ってばかりだ(笑)
何とかしないと…
謙一には連絡先を聞くようにも言われているし…

自然に
さらっと自然に連絡先を聞かないと…

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