一万回目のプロポーズ
第5章 ちょっとは近づけた
「なぁ教えろよー」
俊司は、俊司から逃げたあたしをつまらなさそうな目で見てきた
ほんっとに、お前は何だ!?
そんなにコロコロと態度変えて、何がしたいんだ!?
うざすぎる!!
…から、今度はあたしが聞いてやる
『何で教えてほしいの?』
「気分」
消えろ
『…俊司は、千尋とどう?
ラブラブしてる?』
こんな質問されたら、さすがの俊司も照れるかデレデレするかになっちゃうでしょう
とかいう淡い期待は、呆気なく外れた
「…まぁ…」
は?
何その顔は?
俊司の目は、一気に濁った
さっきまで楽しげだった口元も、ちゅんっともとの形に戻る
「…」
俊司は黙り込んでしまった
何かあるのかな…と、やっぱり心配になってしまう
『…相談とか…あったら乗るよ…?』
あたしは小さくなった俊司の隣に腰を下ろし、足を横に重ねて出した
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える