
刑事とJK
第78章 トレジャーハンター
その落ち着き払った声に、全員が驚いて振り向いた
一人スクッと立っている老人…
源十郎だった
「ば、馬鹿野郎!!
ジジイがしゃしゃり出てくんじゃねぇよ!!」
「そうよ!!
父さんは出てきちゃダメ…!!」
斉藤も真理子も、
老齢の父を労ってかそう叫んだが
源十郎はクッと口角を上げた
「正貴…情けない面だなぁ」
「るっせぇ!!」
「斉藤さん…申し訳ありませんが、
5000万の話は無かったことで。
徳川埋蔵金は…力付くでいただきますよ」
真理子を構っていた男は、
他の連中に手で指示を出した
途端に、源十郎に男たちが襲い掛かる
『お義父さん!!』
「父さん、早く逃げてぇ!!!」
「やめやがれ…!!
年寄り相手によってたかって飛び掛かってんじゃねぇえ!!!!!」
斉藤が源十郎の方へ走り出した時
すでに源十郎の前には大きな男が立っていた
「ジ…ジジイ…!!」
間に合わねぇよ…―――
ポーン と
大男が空中に放り出された
そのまま大男は、
背中から地面に叩き付けられる
え?
と、誰もが思っただろう
年寄りの目の前に、
彼の倍ほど身長がある大男が倒れているのだから
「正貴よ…」
源十郎は斉藤を薄目で見た
「お前に武道を叩き込んでやったのは、誰だと思ってる?
私だろう」
