刑事とJK
第8章 看病
しばらくすると体温計が鳴った
『40°…』
「はは…すっげ…」
『死なないでよね』
言葉にはせずに
斉藤はコクッと頷いた
…かわいい…///
ふと時計を確認した
『もう7時か…なんか食べる?』
斉藤は首を横に振る
『でも何か食べないと…
あ、でもその前に…』
ゆうひはタオルを探してきて、
それを氷水で冷やし、
冷えたタオルで顔の汗を拭いてやった
「つめて…」
『氷水のだもん。体も拭いたほうがいいけど…
脱がしていい?』
「…襲うなよ?」
『誰が!!!』
バシッとシバいてしまった
「~~~(泣)」
はぁ…ダメだ、緊張する…
ゆうひは斉藤の服のボタンを
上からひとつずつ外していく
「…おい」
『何!!?』
…手、震えてんぞ…?
「…なんでもねぇよ」
『なにもなかったらしゃべんないで!!』
ゆうひは口を尖らせながら、
こわばる手をなんとか使っていった
しばらくして
『やっと外せた…』
この作業で一週間分は疲れた…
「時間かかりすぎ…」
『うるさいなぁ!!』
バッと手を振り上げたが、
ボタンを外されあらわになった斉藤の体の傷を見て
手をゆっくり下ろした
タオルをもう一度洗って絞り、
傷の少ないところから拭いていった
首もとから肩、腕、胸、腹…
ゆっくり丁寧に拭いていく
「…気持ちいいわ」
斉藤は目を閉じたまま言った
『そう?よかった』
またタオルを洗い、絞り、
同じように拭いてやる
ゆうひはその作業に一生懸命だったので、
いつの間にか斉藤が眠ってしまっていたことには気づかなかった
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