刑事とJK
第97章 根城の裏で笑う者
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「被害者は遠藤高明。
年齢は47歳で刑事課一課に勤務していました」
「ああ…」
斉藤は手袋をはめると、殺害現場に入った。
「遠藤さんには…いろいろと世話になったな」
遺体はすでに移動させてあり、白のテープで人型に貼られていた。
斉藤はしゃがみ込むと、その遺体のあった場所を眺めた。
そして静かに手を合わせる。
「んじゃあ、凶器は?」
鑑識の人間に尋ねる。
「はい、被害者の頭に、金槌のような物で殴った跡がありました。
ほぼ即死だったと見ています」
「頭の、どこだ?」
「後頭部の上部ど真ん中といった感じですね。
背中を見せた時にやられたんでしょう」
「なるほどなぁ…
遺体の第一発見者は?」
斉藤が立ち上がって振り向くと、鑑識さんは手で扉の方を示した。
「今は取調室にいると思います。
なんせまだ新人刑事なものですから、かなりビビってるんじゃないでしょうか」
「…刑事がビビんなよ…」
斉藤は髪をぐしゃぐしゃに乱すと、殺害現場を後にした。
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