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刑事とJK

第97章 根城の裏で笑う者



進むたびに、人が増えて行く。


普段見ない警察課の人間も、数多くいる気がした。





「ほら、あれ見ろよ」




吉川が指差した方に目を向けると、人集りが出来ていた。




「あれ、刑事課室の前じゃねぇか」



「ああ、それから…ほら、あの婦人警官」



「?」



吉川は口を押さえた。



「いい尻…ちょっとめくったらパンツ見えちゃいそ…」


「黙れ」




冷たく制する斉藤に、吉川は笑顔を向ける。




「冗談冗談。
そんなことより、中に入ろうぜ?
みんな斉藤が来るのを待ってたんだからよ」



「はん、期待されてんじゃねぇか」



「いや、お前の出勤が遅すぎなんだ」




「…あぁ…そうかい」






刑事課室に入ると、さらに人がごった返していた。


もう歩くことも困難だ。





「マジで何だよ、この人数?
まさか刑事課内で殺人が起きたなんて言うんじゃねぇだろうな」



「その、まさか」



「え?」




すると吉川は、「斉藤が来ました!!」と大声を上げた。


その後に、どこからともなく「整列ー!!」と聞こえてくる。




途端に刑事たちは動き出して列に並び、乱れていた部屋の中は整った。






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