
手紙~天国のあなたへ~
第6章 別離
「旦那さま、一体、旦那さまの御身に何が起こるというのですか? 誰が旦那さまのお生命を狙うというのですか!?」
涙混じりの声で訴える留花に、愃はやるせなさそうに微笑んだ。
「そなたは知らぬ方が良い」
「何故ですか? どうして、旦那さまは私に何も教えては下さらないの? ずっと我慢していました。あなたさまが本当は何というお名前で、どこに住み、どのようなお暮らしをしているのか知りたいと私が願わなかったでもお思いなのですか? 私は旦那さまの妻ではないのですか? 妻ならば、人生を共に助け合い支え合ってゆく伴侶ならば、良人がどこで何をしている人間かも知らないはずはない」
涙混じりの声で訴える留花に、愃はやるせなさそうに微笑んだ。
「そなたは知らぬ方が良い」
「何故ですか? どうして、旦那さまは私に何も教えては下さらないの? ずっと我慢していました。あなたさまが本当は何というお名前で、どこに住み、どのようなお暮らしをしているのか知りたいと私が願わなかったでもお思いなのですか? 私は旦那さまの妻ではないのですか? 妻ならば、人生を共に助け合い支え合ってゆく伴侶ならば、良人がどこで何をしている人間かも知らないはずはない」
