
手紙~天国のあなたへ~
第6章 別離
「留花、頼むから、私の話を―」
言いかけた愃の言葉尻に覆い被せるように、留花はひと息に言った。
「聞きたくありません! お願いだから、もう何も言わないで。私への気持ちがまだ少しでも残っていらっしゃるというなら、どうかこのまま何もおっしゃらずにこの家を出てお帰りになって下さい」
「留花。私は今日、確かにここに別離を告げに参った。さりながら、その理由は、そなたへの気持ちが冷めたわけでも心変わりしたわけでもない。私は今もそなたを慕っている。そのことだけは、たとえ何があったとしても、信じて欲しいのだ」
留花がゆっくりと愃を見上げる。
愃の哀しみに満ちた双眸が揺れていた。
言いかけた愃の言葉尻に覆い被せるように、留花はひと息に言った。
「聞きたくありません! お願いだから、もう何も言わないで。私への気持ちがまだ少しでも残っていらっしゃるというなら、どうかこのまま何もおっしゃらずにこの家を出てお帰りになって下さい」
「留花。私は今日、確かにここに別離を告げに参った。さりながら、その理由は、そなたへの気持ちが冷めたわけでも心変わりしたわけでもない。私は今もそなたを慕っている。そのことだけは、たとえ何があったとしても、信じて欲しいのだ」
留花がゆっくりと愃を見上げる。
愃の哀しみに満ちた双眸が揺れていた。
