
手紙~天国のあなたへ~
第5章 夫婦
「このように綺麗なお茶の葉を見たことがありません。かなり高いもののように思えるのですが」
留花の言葉に、愃は鹿爪らしく頷いた。
「済州島(チェジユトウ)原産の上質な茶だ」
「そのように高価なものを下さるのですか?」
留花は嬉しげに愃と壺の中のお茶を交互に見た。
「しかし、たかだか茶葉を持ってきたくらいで、これほどまでに歓ぶとは思わなかった」
愃は端麗な面に苦笑めいた笑いを滲ませた。
「いつだったか、以前、翡翠のノリゲを持参したときも、珊瑚の指輪を与えようとしたときも、そなたはさして嬉しそうではなかったではないか。茶一つでそのように歓ぶのであれば、いつでも持ってくる」
留花は知らないが、この時代、上等な最高級とされる緑茶は済州島が原産であり、献上品という形で遠路はるばる船で都まで運ばれてきていた。歴代の朝鮮国王はこの上質の緑茶をよく好んで呑んだと伝えられる。
留花の言葉に、愃は鹿爪らしく頷いた。
「済州島(チェジユトウ)原産の上質な茶だ」
「そのように高価なものを下さるのですか?」
留花は嬉しげに愃と壺の中のお茶を交互に見た。
「しかし、たかだか茶葉を持ってきたくらいで、これほどまでに歓ぶとは思わなかった」
愃は端麗な面に苦笑めいた笑いを滲ませた。
「いつだったか、以前、翡翠のノリゲを持参したときも、珊瑚の指輪を与えようとしたときも、そなたはさして嬉しそうではなかったではないか。茶一つでそのように歓ぶのであれば、いつでも持ってくる」
留花は知らないが、この時代、上等な最高級とされる緑茶は済州島が原産であり、献上品という形で遠路はるばる船で都まで運ばれてきていた。歴代の朝鮮国王はこの上質の緑茶をよく好んで呑んだと伝えられる。
